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【2024/05/20 20:16 】 |
ZF公理系
お久しぶりです。水槽ゼリーです。
シローの定理とか環とか体の話を書こうかと思っていたのですが、「Zornの補題の証明が読みたいw」というような要望をTwitter上で捕捉したので急遽、選択公理とZornの補題が同値であることを示そうと思います。

ところがですね、選択公理がどうとかZornの補題がどうとか、そういう話をしようとすると、「そもそもどこまで使って良いんだ???」という問題が生じるわけです。
つまり、どういう公理系を適用するのかを明示しないといけません。

ということで、今回はZF公理系の上で考えます。(Foo!ひょうじゅんてきぃ!!)
(この記事ではZF公理系の9つの公理を羅列するに留め、次の記事で証明を与えます。)
(ほとんどwikipediaからのコピペなので、wikipediaを見て頂いても結構ですw)

~ここから数学的なことになるので語尾が命令になったり敬語になったりして気持ち悪いかもしれませんが御愛嬌と思って見逃して下さい><~

1.外延性公理「二つの集合が等しいってこういうことさ」
∀A,∀B(∀x(x∈A⇔x∈B)⇒A=B)

2.空集合の公理「空集合は集合だよ」
∃A;∀x,x∉A

3.非順序対の公理「二つの集合の組は集合だよ」
∀x,∀y,∃A;∀t(t∈A⇔(t=x∨t=y))

4.和集合の公理「二つの集合の要素を集めたものもまた集合だよ」
∀x,∃A;∀t(t∈A⇔∃x∈X;t∈x)

5.無限公理「無限集合があるんだぜ☆」
∃A;∅∈A∧∀x∈A(x∪{x}∈A

6.冪集合の公理「部分集合全体の集まりは集合だよ」
∀X,∃A;∀t(t∈A⇔t⊆X)

7.置換公理「関数の定義域が集合なら、値域も集合だよ。」
∀x∀y∀z((ψ(x,y)∧ψ(x,z))⇒y=z)⇒∀X∃A;∀y(y∈A⇔∃x∈X;ψ(x,y))

8.正則性公理「空じゃない集合AはAと交わらないような要素xを持つよ。」
∀A(A≠∅⇒∃x∈A;∀t∈A(t∉x))

とまぁ以上ですが、私自信まともに公理を眺めた事がなかったので、ここまで解釈を添えるのに結構時間がかかりました。特に7.置換公理に関しては眺めて10分位「一体全体なんじゃらほいwwwwwまったくわけがわからんぽん(^^)(^^)(^^)圧倒的うんじゃらペー現象wwwwwぐひゃぺろ(^^)(^^)(^^)」っていう感じで、友人(@zhiwei826)に聞いて初めて納得できたので少し補足しておきます。(@zhiwei826に感謝。)

普通、関数というのは(fx,x)という形の順序対を要素に持つ集合として定義するのですが、順序対だけではf(x)の値が一意に定まらないので、7番の前半部分があります。(伝聞。たしかにそうなってますよねぇ。)
つまり「∀x∀y∀z((ψ(x,y)∧ψ(x,z))⇒y=z」というのは、要は「f(x)=y∧f(x)=z⇒y=z」を表していて、
後半「∀X∃A;∀y(y∈A⇔∃x∈X;ψ(x,y))」は「f(x)の集まりは集合だよ」と言っているわけです。

少しでも理解の助けになれば幸いです。
集合がたった8つで特徴づけられているなんて、少し不思議な気持ちですね。
次の記事では選択公理と整列可能定理とZornの補題が同値なことを示します。
今晩中に書くつもりはしてますが・・・出来るのかな???先が思いやられます。
ではとりあえず今回はこの辺りで。

さようなら~~~(ジュルジュル
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【2012/04/28 02:00 】 | 未選択 | 有り難いご意見(1)
剰余類、剰余群から、ラグランジュの定理
おはにちばんは。
前回は群、可換群、部分群、正規部分群までを定義しました。
後々分かるのですが、部分群が正規であるという条件はかなり強い条件であり、正規部分群の数を調べることで群の構造が分かったりします。
大事な項目なので、「定義を忘れたぜw」とか、「定義なんてしらねぇぜw」とか、ましてや「正規?何それ美味しいの?」なんて思っちゃってる方がいれば、ひとつ前の記事を読んでみてください。

さて、今回は剰余類と剰余群の定義をしていきます。余力があればラグランジュの定理へ。

まずG:group, H:subgroup とします。
∀g∈G, ∀h∈H, gh∈G であり、
h'∈H について、gh=gh' ならば、両辺の左側からg^(-1)を掛けることによって、h=h' が導かれます。
つまり、gH:={gh|h∈H} について、
|gH|=|H|~~~① となります。
(そう言えば定義していなかったのですが、|G|はGに含まれる元の数を表し、これをGの位数と呼びます)

命題1
G:group H:subgroup g∈Gとするとき
gH=g'H ⇔ ∃h'∈H s.t. g=g'h'

(証明)
gH=g'Hならば、g=g1∈g'H
つまり∃h'∈H s.t. g=g'h' となります。
逆にこの時、∀h∈H gh=(g'h')h=g(h'h)∈g'H かつg'h=(gh'^(-1))h=g(h'^(-1) h)∈gH
なので gH⊂g'H かつ gH⊃g'H つまりgH=g'H(q.e.d.)

命題2
G:group H:subgroup g,g'∈Gとするとき
gH∩g'H≠∅ ⇔ gH=g'H

(証明)
(右から左は自明なので左から右を示します。)
gH∩g'Hの元xは少なくとも一つ存在するので、∃h,h'∈H,H' s.t. gh=g'h'
両辺の右側からh^(-1)をかけて g=g'h'h^(-1)=g'(h'h^(-1))
なので命題1よりgH=g'H

この命題より、Gが有限群の時(有限群:位数が有限な群)任意に一つg_1∈Gを取り、G\g_1Hから任意に一つg_2∈Gをとり、G\(g_1H∩g_2H)から任意に一つg_3∈Gを取り・・・という操作を繰り返すことにより、
∃g_1,g_2,...,g_n ∈G s.t. G=∪(i=1~n)(g_i)H~~~②

次にHがGの正規部分群である時、G/H:={gH|g∈G}に
(gH)(g'H):=(gg')H という乗法を定めることにより、G/Hはまた群となる。
ここで、一言で「~~という乗法を定めることにより」と書きましたが、乗法を定めたということは演算を一つ定めたということであり、演算とは写像の一種であったので、gH=g''H ,g'H=g'''H としたときに、演算によって移る先(gH)(g'H)と(g''H)(g'''H)は等しい必要があります。(つまり、これらが等しくなければこの乗法は写像の定義を満たしていないことになります。)
このように、矛盾なく定義出来ていることをwell-definedであるといいます。
well-definedの感覚は最初は掴みにくいかと思いますが、徐々に慣れていきましょう。

上で定義した乗法がwell-definedであることを確かめましょう。
(g''H)(g'''H)
=g''g'''H(乗法の定義から)
=ghg'h'H(命題1から)
=gg'(g'^(-1)hg')h'H
=gg'H(HはGの正規部分群であったのでg'^(-1)hg'∈H)
=(gH)(g'H)
ゆえにwelldefinedであることが示された。

さて、G/Hが群であることは定義を一つ一つ確認することで示されますが、ただの作業ゲーなので割愛します。G/HをGのHによる剰余群といいます。

ここまでくればあとはラグランジュの定理を示すのは簡単です。

定理(ラグランジュの定理)
記号は上で定めたものとするとき
|G|=|G/H||H|

(証明)
|G|=Σ(i=1~n)|g_iH|(命題2と②より)
=Σ(i=1~n)|H|(|g_iH|=|H|より)
=n|H|
=|G/H||H|(|G/H|=nより)
q.e.d.

この定理によって、部分群の位数は群の位数の約数であることが分かりました。
このことは非常によく使うので覚えておきましょう。(というか話の流れが分かれば自分で示せます・・・よね?)

今回の記事は以上です。
次回は多分環とか体の定義を話してうんじゃらぺー
もしくは、元の位数の話をして群の作用の話とかをしようかな、とか思ってます。
ではではまた会う日まで~。
【2012/04/10 01:26 】 | 未選択 | 有り難いご意見(0)
群と部分群、正規部分群の定義
定義(演算、群、可換群)
Gが集合のとき写像Φ:G×G→GをG上の演算という。
空集合でない集合Gと演算Φに対して、以下の3つの条件を満たすとき、集合Gは群(group)であるという。

(1)∃e∈G s.t. ∀x∈G ex=xe=x (このような元eを単位元と呼ぶ)
(2)∀x∈G ∃y∈G s.t. xy=yx=e (このような元yをxの逆元と呼び、x^(-1)と書く)
(3)∀a,b,c∈G (ab)c=a(bc) (このような関係式を結合法則と呼ぶ)

以上3つに加えて以下の(4)を満たす時、集合Gは可換群(commutative group)であるという。

(4)∀a,b∈G ab=ba

定義(部分群)
群Gの部分集合HがGの演算Φによって群になる時、HはGの部分群(subgroup)であるという。

またこれは以下の三つの条件が成り立つことと同値である。(証明は省く)

(1)1_G∈H(ただし1_GはGの単位元とする)
(2)∀x,y∈H xy∈H
(3)x∈H⇒x^(-1)∈H

定義(正規部分群)
群Gの部分群Hが次の条件を満たす時、HはGの正規部分群(normal subgroup)であるといい、G>Hと表す(通常は不等号ではなく、開いた方を閉じた三角形を用いますが、フォントの都合上不等号で表すことにします)

(条件)∀g∈G,∀h∈H ghg^(-1)∈H

と、今回の記事はここまでです。あとはちょこっと代数学の気持ちを。
群は積の一般化です。実はこのようなものを考えることで、後々五次以上の方程式に代数的な解の公式が一般には存在しないことが示せるらしいのですが、まだ無学なためそこまでは知りません。
代数学は方程式の代数的な解の公式の存在を調べるたり、整数論を一般的な立場で議論するために発展した分野なのだそうで、それだけでも代数学を学ぶモチベーションには十分なのですよね。
さらに、代数学の議論では解析などのような煩雑な計算が少なく、一つ一つの簡単な議論の積み重ねによって高尚な定理が導かれるのです。
この議論一つ一つがパズルのようで、自分で定理を証明していくのはすごく楽しいです。
(まだまだ入門部分を勉強しているところなので、認識を誤っているかもしれませんが、楽しいのは間違いないですよ)

次回は剰余類を定義して、剰余群を定義するための議論を書いてみようかと思っています。では。
【2012/04/06 18:32 】 | 未選択 | 有り難いご意見(0)
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